ルリビタキのバードウォッチング情報

☆留 鳥・漂 鳥
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まえがき

ここに記載している内容は、客観的情報と主観的情報を私自身の言葉で記したものです。

つまり、野鳥関連の複数の図鑑や専門書で勉強した内容とネットの情報およびバーダーさんとの情報交換で得た知識に、フィールドでの自分自身の実際の観察経験を織り交ぜてまとめたものです。

まだまだ勉強中のバーダーなので、内容に必ずしも責任が持てる訳でもありません。この点をあらかじめご了承下さい。

基本情報

●全長14cm ◎季節性:漂鳥 ☆雌雄異色

魅力について

ルリビタキの魅力は、何と言っても、オスの特徴である体上面の光沢のある明るめの青色、喉から体下面の白色、脇の鮮やかな山吹色、これらの色のコントラストの美しさに尽きると思います。

人気の背景には、瑠璃色の美しさに加えて、青い鳥を探しに行くチルチルとミチルの物語から来ていると考えられる「幸せの青い鳥」とか「幸福を呼ぶ青い鳥」というメルヘンチックな言葉の影響があることも否定できないでしょう。

名前について

ルリビタキの漢字表記は「瑠璃鶲」です。

「瑠璃」は元々は、七宝(しっぽう)の一つで、古代から珍重されてきた美しい青い宝石の名前です。

瑠璃色のヒタキという意味になりますね。

「瑠璃」青い色をした生き物や植物の和名に使われています。

たとえば、山野草に「ヤマルリソウ」というのがあります。

ちなみに、「ルリ」が付いた鳥、ルリビタキ・オオルリ・コルリの青い鳥3種を”瑠璃3鳥”と呼んでいます。

英名は、Red-flanked Bluetail です。「両脇に赤みがあって青い尾羽を持つ鳥」というほどの意味です。

雌雄に共通する特徴を名前にしているようですね。

分布と生息場所について

国内の繁殖地は本州中部以北や四国が知られており、亜高山帯の針葉樹林帯を好むそうです。

冬季は、本州中部以南の平野部や山地の林、低山の森林や市街地の公園の林などで越冬します。

したがって、比較的気軽にルリビタキに出会いたいなら近場のウォーキングができるような公園に出かけてみることをお勧めします。

ジョウビタキほど個体数は多くはないようですが、鳴き声(地鳴き)を覚えれば発見率も高くなると思います。

外見や生態の特徴について

オスは、額から頭部および尾を含めて体上面が光沢のある明るめの青色をしています。

短いですが白い眉斑(目の上の線)が目立ちます。

喉から体下面は白く、脇が鮮やかな山吹色をしていて青色とのコントラストが美しいのが特徴です。

”瑠璃三鳥”の中でも、ルリビタキは華麗で愛らしい青い鳥として人気が高いのも、体下面の白、体上面の青色、そしてアクセントとなっている脇の鮮やかな橙色とのコントラストの美しさが際立っているからではないでしょうか。

これに加えて、目の上によく目立つ眉斑と呼ばれる白い線が入っていることで、顔が引き締まり凜々しく見えます。

コントラストと言い、白い眉斑と言い、”瑠璃三鳥”の他の2種、オオルリとコルリにはない特徴です。


メスは、頭部から体上面はオリーブ褐色で尾が青色です。

喉は白く、胸から体下面は体上面よりも薄いオリーブ褐色で、脇はオスに似ていますが、どちらかと言えば山吹色というよりは橙色でしょうか。

オスに比べると不明瞭ですが眉斑もあります。白いアイリングも特徴です。


ルリビタキのオスは、成鳥の青色になるまで個体差はあるものの3年かかるそうです。(4年という説もあります。そこに個体差まで加わるので正確には把握するのが難しいのでしょう。)

その間2年以上はメスと同様にオリーブ褐色(簡単に言うと、茶色)の羽色のまま過ごすことになるので、一見すると番(つがい)がメス同士に見えることもあります。

目視では判断は難しいですが、オスの幼鳥はメスよりも尾の青みが強く、脇の橙色部はより広く鮮やかなので、すでに成鳥の山吹色に近い印象です。

ちなみに、同じ青い鳥でも、オオルリやコルリは生まれた年の秋には成長に近い外見になっていて、体上面のかなりの部分は青い羽毛に覆われています。


これまで撮影した経験から、オスの幼鳥がメスと識別が難しい状態から、少しずつ肩や首回りそして背中付近に—最初はきわめて部分的ですが—青色が確認できるようになるとようやく雌雄の区別が可能になります。(それでも、最初は微かな変化なので識別は難しいと思われます。)

さらに、青色の部分が広がってくると、青色の中に茶色あるいは灰色のような毛が残っている状態になります。

出会いが期待できるポイントは?

よく見かける場所は、林床や人の目線ほどの高さの枝です。

初めて出会ったのはウォーキングコース沿いの明るいとことにある低木にスッとやってきた時でしたが、その距離はほんの数メートルだったように思います。

意外に、人に対する警戒心はそれほど強くないのかもしれません。

地鳴きに誘われて観察していると、林の中の樹間を器用に地面すれすれのところを飛ぶのを何度も見たことがあります。

また、藪の中からすぐ近くの明るいところにある樹の実を食べに出てくる姿もよく見かけます。

したがって、樹の実があれば観察ポイントになるかもしれません。(私のフィールドではハゼノキがあれば期待します。)

鳴き声(囀りと地鳴き)について

繁殖期は亜高山帯の針葉樹林帯で朗らかにテンポよく鳴くそうです(が、まだ聞いたことがありません)。

その際は、尾羽を一定間隔で上下にリズムをとるように振りながら鳴きます。(尾を振るのはよく見ます。)

囀りを言葉にすると、「ヒョロヒュルルリッ」とか「フィルリルーリルー」あるいは「ヒーピヒョロピヒョロヒョロヒョロリ」となるようです。

囀りは文字にしたものと実際の聞こえてくる音とではかなり違うという印象を持つ場合もありますが、実際はどうなのでしょう?。

聞きなしは「ルリビタキだよ」だそうだ。(^^)


真冬でもさえずることがあると聞いていたのですが、最初の2年間は耳にしたことがありませんでした。(というか、おそらく耳にしていたのでしょうが、慣れていなくて気が付かなかったのだと思います。)

しかし、2017年10月27日に囀りを初めて聞きました。囀りの直後に地鳴きも聞きましたので、ルリビタキの囀りに間違いないと思います。

公園の林にやって来たばかりだったのだと判断しています。

その後の数年間でさらに囀りを聞く機会が増え、やって来たばかりだけでなく1月や2月でも聞いたことがあります。


冬季によく耳にするのは地鳴きです。

冬枯れの道脇の藪の中から聞こえることが多いと思います。

「ヒッ、ヒッ、クッ、クッ」という感じで鳴きますが、慣れないとジョウビタキに似ていて区別がつきません。

ただ、薄暗いところで聞こえてきたらルリビタキの方だと思って間違いないでしょう。

他には、「ガッガッ」または「グッグッ」とも地鳴きします。

予想外に大きな声で地鳴きするときに、胸を大きく膨らませていることがあります。

もしかしたら撮影者の私に警告音を発しているのかもしれないと、何回か経験するうちに思うようになりました。

面白ポイント

尾羽を一定の間隔でリズムをとるように振ります。

たまたま尾羽を振っているときにシャッターを押すと尾だけがブレて写ることがあります。

細部まで精密描写したいときは困りますが、ブレによって動きが出て効果的な場合もあります。

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