光学機器メーカーであるコシナは2005年にライカMマウント用の「カールツァイスT*ZMマウントレンズシリーズ」を発売開始しました。
これにより、「ライカのカメラにツァイスのレンズを装着」して撮影するという夢のよう組み合わせが現実のものとなりました。(コシナに感謝!)
私の所有するビオゴン25mm F2.8もそのシリーズの1本です。
狭義においてオールドレンズというほど古くはなく、しかし、フィルムカメラ時代のレンズという点では決して新しいとは言えないレンズです。
山のフィールドにカタクリの花が咲き始めてからこのレンズで接写を楽しんでいますが、撮影するたびに最新のズームレンズとは一線を画すこの単焦点レンズの描写性能に感嘆しています。
今回は、このレンズにかかわる情報と作例をご紹介しようと思います。
撮影に使った機材の紹介
カメラ=Nikon ミラーレス一眼カメラ Z7II
マウントアダプター=TECHART TZM-02
ライカMマウントのレンズをニコンのZマウントに変換するアダプターです。
◎メーカーの製品紹介ページ
◎本製品使用説明書
https://stkb.co.jp/file/TZM-02-2023.pdf
焦点工房より
- MマウントのMFレンズでAF撮影が可能
- モーターを4つ搭載した新しい駆動ユニットを採用し、前モデルよりも高い耐久性と静粛性を実現
- カメラケースに干渉しにくいリング状のスマートなデザイン
- 本体部の設計と加工方法を見直すことで、より高い剛性と小型化を実現
- AF-S、AF-C、動画AF(AF-F含む)に対応
- 瞳AFや顔検出AF、各種被写体検出AFに対応
- レンズの最短撮影距離を短縮可能(可動部分の繰り出し量:約4.5mm)
- USB DOCKからファームウェアアップデートが可能
- 設定した焦点距離(20種)を、Exifデータに記録可能(レンズの焦点距離が変わる度に設定が必要)
- アダプター内部の植毛加工により内面反射を抑制
オートフォーカスを可能にしてくれるこのマウントアダプターのおかげで、所有している広義のオールドレンズが再び日の目を見ることになりました。
さらに、他マウントのレンズをMマウントに変換してくれるアダプターと併用すれば、私が実際にやっているように、コンタックスのレンズをオートフォーカスで使うことも可能になります。
下記の記事も参考にしてください。
レンズ=Biogon T*2,8/25 ZM
このレンズの詳細はメーカーのウェブページで確認できます。
Nikon Zマウントで使うことのメリット
大きなメリットは2つあります。
(1)オートフォーカスでの撮影が可能となる
(2)最短撮影距離が短くなる
『Biogon T* 25mm F2.8 ZM』の最短撮影距離は<50cm>です。上記のマウントアダプターを使用することで、最短撮影距離は—私の感覚では—約1/2になります。
そのおかげで、広角レンズならではの接写撮影を楽しむことができます。(下記の作例参照)
作例
ピントが合ったところ(基本的には、シベ)はシャープに、アウトフォーカス部分、特に背景の林は柔らかくボケています。
そしてそのボケが平面的ではなく立体的に見えます。(ボケに芯があるという言い方ができるでしょう)
単焦点レンズの利点とツァイスレンズの特長が相まって、この美しい描写が生まれているのだと考えます。
恥ずかしながら、購入から18年経過してようやくこのレンズの素晴らしさに気付かされたような感覚に陥っています。
みなさんの評価はいかがでしょうか。
ちなみに、絞り値はすべて<F5.6>に設定して撮影しました。
次の2点はほとんど同じ写真に見えますが、ピントを合わせているところが異なります。
あとがき|Wrap-UP
銀塩カメラ時代に、旅行や家族のイベントなどの際にはこのレンズ「ZEISS Biogon T* 25mm F2.8 ZM」を多用していました。
それなりに気に入って使っていましたが、被写体が小さい場合、今回のような接写というやり方で使うことはできませんでした。
ミラーレス一眼カメラが登場する以前には不可能だったことが、当たり前のようにできるようになった訳です。
それにより過去のレンズが蘇ることになります。
私たちは今その恩恵に浴しています。
実に有り難いことです。
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