この記事は、旧ブログに掲載(2019年4月15日)していたものをブログ移転に伴い2022年4月26日に再掲載したものです。
細かな加筆修正を加えていますが、それ以外は旧記事と同じ内容です。
3年ほど前に、私のフィールドでカワセミの交尾シーンを撮影した人から写真を見せてもらったことがありました。
その頃は、いかに野鳥を可愛く撮影するか、美しい姿をとらえるか、ということの方に意識が集中していて、生態的なことにはそれほど強い関心はありませんでした。
少なくとも、「それを狙おう」などとは思っていませんでした。
生態的なシーンはたまたま出くわせば撮るくらいの意識でした。
今までフィールドでたくさんの野鳥写真を撮ってきて余裕が出てきたためかもしれませんが、この3年間の間にいろいろなシーンを観察してきて最近は生態的なことにも少しずつ興味が湧いていました。
そんな時、1月29日にカワセミの縄張り争いと考えられる”空中戦”を観察する機会がありました。
2羽のオス、定住していたオスと新参者のオスとがバトルを繰り広げていました。
このバトルは2~3日続いたようです。
結局は、定住していたオスが勝利をおさめたことが分かりました。
この一件がきっかけとなって、「今後どういう展開になるのだろう」と好奇心を刺激され、観察しやすいカワセミの繁殖を追いたいと思うようになりました。
そして、ついに4月7日に交尾シーンを撮影することができました。
交尾に至るまでのプロセス
オスが定住していた所にメスの姿を初めて確認したのは3月16日でした。
両方とも嘴の先に赤土が付いています
この時には既に巣穴掘りが始まっていたことが、嘴や足に付いた赤土から分かりました。
ここに至るまでにはいろいろな段階があったはずです。それをまとめると次のようになるでしょう。
- 縄張り意識が強く非繁殖期は、オスとメスは単独で縄張りを守る
- 繁殖期に入ると、オスがメスの縄張りを訪れ、メスが受け入れるまでさまざまな求愛行動をとるらしい(残念ながら、観察経験無しです)
- メスが求愛を受け入れると「求愛飛翔」が見られるようになる(求愛飛翔とは、雌雄2羽で水面近くをもつれ合うように追いかけ合って飛ぶ行動で、その際に強い鳴き声を発するので、観察者は気付きやすい)
- 営巣の準備として巣穴作りを開始する(雌雄が交代で作る)
※上の写真はこの段階と考えられます。 - 巣穴づくりと並行して、求愛給餌が見られるようになり、時に給餌の直後に交尾を行う
※交尾は1日に数回、1週間ほど続くとも言われています。
この後、産卵→抱卵→ふ化→ヒナへの給餌→巣立ち(ふ化から3週間半後)とプロセスは続きます。
ヒナへの給餌は2017年に撮影したことがあるので、そこまではたぶん撮影できるのはないかと期待しています。
静止画で見る交尾シーン
スライドショーで見る交尾シーン
上の静止画をスライドショーにして動画風にまとめました。
通常の動画と異なり、スローモーション風に見られるので詳細を観察しやすいのが利点です。
あとがき
ある情報によると、カワセミの交尾は1日に数回、約1週間続くとのことです。
状況から判断すると、その1週間はもう終わっていると思われます。そうであるならば、今回の繁殖行動では唯一観察できた交尾シーンということになります。
カワセミだけをすきなだけ時間をかけて撮影できる人ならいざしらず、一般的なバーダーにとっては貴重な瞬間に立ち会えてラッキーでした。
カワセミは多くの場合、2回繁殖活動を行うようなので次回の繁殖行動にも今回のような幸運を期待したいと思います。
コメント