メボソムシクイのバードウォッチング情報

☆夏 鳥
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まえがき

ここに記載している内容は、客観的情報と主観的情報を私自身の言葉で記したものです。

つまり、野鳥関連の複数の図鑑や専門書で勉強した内容とネットの情報およびバーダーさんとの情報交換で得た知識に、フィールドでの自分自身の実際の観察経験を織り交ぜてまとめたものです。

まだまだ勉強中のバーダーなので、内容に必ずしも責任が持てる訳でもありません。この点をあらかじめご了承下さい。

基本情報

●全長13cm ◎季節性:夏鳥 ☆雌雄同色

名前について

漢字では、目細虫喰と表記します。眉斑が他のムシクイ類と比べて細いのが名の由来とのことですが、それほどの違いがあるのか撮影した写真を見比べてみても疑問に感じます。


英名は、Japanese Leaf Warbler です。leaf warbler がムシクイを意味します。「日本のムシクイ」とはまた大雑把なネーミングですね。

分布と生育場所について

夏鳥として本州・四国・九州の亜高山帯の針葉樹林に渡来し繁殖します。

国内で普通に見られるムシクイの仲閒は、センダイムシクイ・エゾムシクイ・メボソムシクイですが、その中でメボソムシクイは最も標高の高いところに生息しています。


亜高山帯の針葉樹林を好んで生活するので、山歩きをする人以外は姿を見たりさえずりを聞く機会は必然的に限られます。

しかし、春と秋の渡り期には、低山や平地の公園などで見られる可能性があります。

渡り期は、春は5~6月、秋は9~11月です。

外見の特徴について

以前はウグイス科となっていたそうですが、現在はムシクイ科と分類されています。

ムシクイの仲閒は体の特徴もよく似ていて、全体に丸みが少なくほっそりとして、嘴も細長いです。

全体にスマートな印象です。


体上面は一様にオリーブ褐色(緑がかった褐色)です。

類種のエゾムシクイは、頭上と背中の色調が異なるので、識別ポイントになるかもしれません。

概して、色味は微妙な要素なので比べて初めて分かる程度かもしれません。

実際、体色は色偏りなど光の影響を大きく受けるので判断は難しい場合が多いです。

下嘴に黒色味があり、センダイムシクイと比べるとより明瞭に感じます。

生態の特徴について

習性としては、ムシクイの仲閒に共通しますが、昆虫などの補食のためでしょうが、林の中で比較的高いところにある枝上を忙しなく動き回ることが多いように思います。

そのために、じっくり観察したり撮影したりすることは難しいです。


経験則で言うと、混群を作ることでよく知られているカラ類やエナガ、メジロ、コゲラなどの中に混じっていることがあります。

囀らない時期にムシクイ類を見つけるコツは、混群に出会ったら、「混じっているかも知れない」と思って探してみることです。

類種との識別ポイント

ウグイス科のウグイスやヤブサメ、ムシクイ科のエゾムシクイやセンダイムシクイと似ているので実に紛らわしいです。

春秋の渡り期には、市街地の公園などにも姿を現しますが、それはエゾムシクイとセンダイムシクイも同様なので、公園などで見かけた場合は識別は慎重にする必要があるでしょう。

識別のためにも、頭央線の有無を確認できるように、可能であれば頭頂部を撮影しておきたいものです。

  1. ウグイス・ヤブサメには翼帯は無い。ムシクイの仲閒には翼帯はあるが、メボソムシクイのそれは不明瞭。
  2. メボソムシクイの頭頂部には頭央線が無い。(あれば、センダイムシクイ)
  3. メボソムシクイの下嘴基部は橙色。(エゾムシクイ、センダイムシクイ、本種の順で濃いとされる。)
  4. メボソムシクイの眉斑は細長く明瞭で、黄色みを帯びた白色。
  5. 体下面は白に近い灰褐色で、脇は黄色味がある。ついでながら、センダイムシクイとエゾムシクイは南下は早いので、10月になってムシクイを見かけたら、メボソムシクイの可能性が高いと判断できそうです。

鳴き声(囀りと地鳴き)について

樹林を移動しながら、「チョリチョリチョリチョリ」または「ジュリジュリジュリジュリ」と4拍子でさえずりを繰り返すそうですが、聞けるのは普通は高山です。

聞きなしは、「銭取り銭取り」です。

春や秋の渡り期には、「ギュッ」とか「ギッ」あるいは「ジリッ ジリッ」とか「ジジッ ジジッ」と地鳴きします。(この地鳴きは、表した文字に近い音で聞こえると思いますので、かなり参考になるでしょう。)

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