まえがき
ここに記載している内容は、客観的情報と主観的情報を私自身の言葉で記したものです。
つまり、野鳥関連の複数の図鑑や専門書で勉強した内容とネットの情報およびバーダーさんとの情報交換で得た知識に、フィールドでの自分自身の実際の観察経験を織り交ぜてまとめたものです。
まだまだ勉強中のバーダーなので、内容に必ずしも責任が持てる訳でもありません。この点をあらかじめご了承下さい。
基本情報
●全長16cm ◎季節性:冬鳥 ☆雌雄異色
ミヤマホオジロの魅力について
ホオジロの仲間で黄色い眉斑と喉、そして冠羽が目立ちます。
レンズを通してその姿を見ていると鮮やかな黄色がなんとも美しく、洗練さと気品さえ感じさせてくれる小鳥です。
魅力を要約すると、洗練された大人の上品な雰囲気を纏った小鳥、ということになりましょうか。
名前について
学名の『Emberiza elegans』は「優雅で上品で洗練されたホオジロ」という意味とのことです。
英語名のYellow-throated buntingは「喉が黄色いホオジロ」という意味です。
前者は、ミヤマホオジロの主観的特徴を言い表していて、後者は客観的特徴に言及している点が興味深いです。
学名「Emberiza elegans」の通り、とてもエレガンスな雰囲気を醸し出しているとても優雅で気品のある小鳥という印象を受けます。
漢字表記では、深山頬白と書きます。
よくよく調べてみると、「深山(みやま)」という言葉には「遠隔地」という意味があり、かつては朝鮮半島に生息する鳥として知られていたことにより、遠隔地のホオジロ類という意味で「ミヤマホオジロ」となったとのことです。
分布と生育場所について
冬鳥として全国に渡来しますが、西日本に比較的多く、その一部では繁殖記録もあるそうです。
東日本の愛鳥家にとっては珍しい鳥という印象があるかもしれませんね。
しかし、個体の絶対数は少ないようなので、西日本においても目にする機会は少ないのではないでしょうか。
私のフィールドで見かけるのは一冬に1~2回で、群れで見たことはありません。里山が残っている辺りに行くと小さな群れで行動しているのを観察できます。
漢字表記にだまされて、標高の高い山か奥深い森に棲むのだろうと勘違いしてしまいそうになりますが、実際には他のホオジロと同様に、平地から丘陵地帯の明るく開けた森や林の縁近くの草地などで見られます。
実際、私が最初に出会ったのは、普段はホオジロが屯している草地の縁でした。
その周囲は林になっていて、とても明るい場所です。
2回目に出会ったのは、ウォーキングコースになっていて時には作業車なども通る未舗装の道端でコースの他の地点よりも空間が開けているやはり明るい場所です。
どうやら、「明るい空間の縁」が好きなようで、空間中央部の大きく開いた場所は好まないようです。
外見や生態の特徴について
平地から丘陵にかけての開けた森林や林縁で小群をつくって生息し、主にベジタリアン的な食性が強く地上で種子などを食べているようです。
仲間のカシラダカやホオジロと混群を作ることもあります。
最大の特徴で、個人的に最大の魅力と感じるのは、眉斑と喉が鮮やかな黄色であることです。
もちろん、目先から頬および胸の逆三角形の黒色とコントラストをなしているが故にこの黄色がいっそう引き立っていると言えるでしょうね。
雌雄ともに冠羽があり目立ちます。
警戒したり興奮したりすると冠羽が三角形の形に高く立ちます。
メスには胸の逆三角形の黒い斑は無く、眉斑の黄色味も薄く、全体的に色が淡いという感じがします。
オスに比して、メスは
- 眉斑の黄色は淡い
- 胸に逆三角形の模様は無い
図鑑や実際に撮影した写真で見比べる限りでは、メスは冬羽のカシラダカと類似しているように見えるので野外での識別は難しいかもしれません。
地上で食事中に出くわす可能性が高いと思いますが、危険を感じると地鳴きを一鳴きして地表から飛び上がって樹の上へ逃げます。
ホオジロも同様ですが、とても警戒心が強いようです。
しかし、しばらく待っていると地上に降りて採食の続きをするので、近くで刺激をしないようにじっと待っていると再び観察の機会があるかもしれません。
鳴き声(囀りと地鳴き)について
日本で見られるのは冬なので普通は囀りは聞かれません。
たまに、小さく「チッ」と地鳴きを発しますが、ホオジロが生息している場所だと両者の地鳴きを区別するのは私には難しいです。
いずれにせよ、ホオジロがよく発する連続的な地鳴き「チチチッ」とは別に、小さな「チッ」が聞かれたら要注意かもしれません。
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