星景写真のアクセント、夜空の不動のスターたち

☆山岳星景写真
管理人
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過去記事救済プロジェクトの一環です。(^^)

ネイチャーフォトを扱うブログがデータベースのトラブルでアクセスできなくなり、救いたい記事だけでもなんとかしようと奮闘中です。

この記事は、2015年12月1日にアップした記事を救済し、多少の修正を行った上で再掲載しました。

私が撮りたい「星景写真」では、夜空にアクセントが必要です。

単に星がたくさん写っているだけでは満足できません。

大切なのは「数」よりも『質』です。

シリウスオリオン座アルデバランスバル(プレアデス星団)などの目立つ星・星座に加えて天の川、そして時には雲さえもアクセントとなってくれます。

そこに石鎚山系の”山の表情”を加味できれば、私の目指す”山岳星景写真”作品が完成します。

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夜空にアクセントを!

星景写真の撮影は、2015年4月の石鎚山系にある瓶ヶ森林道の冬季閉鎖解除と伴にスタートを切りました。

もちろん、最初は撮影することで撮影データを収集するというのが実情でした。

事前に勉強したことを現場で実践します。

一晩中、車を走らせたり山を歩き回り撮影ポイントを探し求めました。

ここはと思う場所では、感度・絞り・露光時間を変えて様々なパターンで撮影し、現像ソフトで現像をしては反省し、次の撮影に備えることの繰り返しでした。

そしてある時思いました。

「面白くない!」

この写真をご覧ください。

画像が小さいので分かりにくいでしょうが、中央にあるのは石鎚山です。

中腹に薄いガスが漂っていたので、それを現像で表現し左右の前景との分離に成功し奥行きを出すことができました。(画像が小さいのでちょっと分かりにくいですね)

しかし、満足感がありません。面白くないのです。

空気中に水分が多かったので、空の部分には微妙にグラデーションがあります。

この点はよいのですが、星空が面白くありません。

特別明るい星も星座もありません。

肉眼で見るには楽しかったのですが、写真としては実に退屈な印象です。

ここから少し方向性が変わりました。

夜空に特別アクセントになるものがない時はテスト撮影を心掛け、月や星座あるいは天の川がある時は”作品”創りに集中するようになりました。

次の写真をご覧ください。

2015年4月22日 午後10:30分頃に撮影しました。

駐車場に到着すると、(正確ではないですが)三日月なのに結構明るく感じました。

この頃はまだ、「月の光で写り込む星の数が少なくなる」と月光条件を否定的にとらえる意識が強かったのです。

事前に想定していた撮影ポイントに歩いて行くにしても時間は十分にあったので車中で休憩していました。

そして何気なく石鎚山の方を見ると、月の光でうっすらとしか見えませんでしたが、頂上付近の真上にオリオン座が見えていることに気がつきました。

月の光が邪魔になるかも知れないけれども「写したい」と思い、急いで準備を整えシャッターを切りました。

これがその時のワンショットです。

まったくの偶然です。

オリオン座がこの時季にこの時間帯に石鎚山の中央に降りてくるなどとは知りませんでした。

その種の天体関連の知識は私にはありません。

夜空に輝く不動のカルテット

後で知ることになったのですが、上の写真に写っている目立つものをまとめるとこのようになります。

左から、シリウス、オリオン座、アルデバラン、スバル(プレアデス星団)をセットとして、個人的には『夜空に輝く不動のカルテット』と呼んでいます。

この写真を撮影した経験がきっかけとなり、夜空にアクセントを求めるようになりました。

つまり、星景写真を撮影する場合には、空の部分に積極的に目立つ星・目立つ星座・天の川・月・雲などを取り入れるようになったのです。

そうして今では、『夜空に輝く不動のカルテット』に加えて、月や天の川、カシオペア・北斗七星など素人目にも目立つ星座なども含めて夜空の不動のスターと呼んでいます。

夜空の不動のスターの作品例

◎作品(1):2015年5月14日午前1時30分頃に撮影

天の川があるからこそ樹が生きてきます。そして、樹があるからこそ天の川が生きています。

◎作品(2):2015年5月21日午前3時15分頃に撮影

北斗七星が写っています。ソフトフィルターを使うともっと目立ったのでしょうね。

◎作品(3):2015年10月14日午前0時55分頃撮影

オリオン座とアルデバランが写っています。普段はこういう風には撮りません。

◎作品(4):2015年5月27日午前3時頃撮影

薄い霧状の雲がよいアクセントになってくれました。

◎作品(5):2015年6月28日午後22時20分頃撮影

山岳写真において30年以上の間「太陽に向かってシャッターを切る」を信条としてきた私としては、昼間の逆光写真を夜にも撮りたいと考えるのは必然でした。

規模は小さいですが、地上の雲海もアクセントになってくれました。

前景の笹原から無限遠の月や星まで奥行きが感じられる狙い通りの作品です。

◎作品(6):2015年6月29日午前2時25分頃撮影

これは天の川を撮ったというよりも、退屈な夜空に緊張感を持たせるために、主役の石鎚山の近くに天の川が来るのを待って撮影しました。

◎作品(7):2015年10月14日午前3時30分頃撮影

どちらにも天の川をアクセントとして利用しています。

星を線で表現する場合にも効果があることがお分かりでしょう。

◎作品(8):2015年11月4日午前4時5分頃撮影

夜空に輝く不動のカルテットが勢揃いです。

ソフトフィルターを用いるともっと浮かんできます。

◎作品(9):2015年11月4日午前5時25分頃撮影

こちらも不動のカルテットです。

あとがき

夜空の不動のカルテットに加えて天の川や月などをうまく利用すると、画面が引き締まり奥行き感が得られるのがお分かりいただけると思います。

星や月は時間と伴に移動するものなので臨機応変に対処することも重要ですが、事前の下調べとして国立天文台などのネット情報を活用すると、方角や時間帯、「入」や「出」の時間を知ることができます。

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