エナガのバードウォッチング情報

★『鳥』|Birds
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まえがき

ここに記載している内容は、客観的情報と主観的情報を私自身の言葉で記したものです。

つまり、野鳥関連の複数の図鑑や専門書で勉強した内容とネットの情報およびバーダーさんとの情報交換で得た知識に、フィールドでの自分自身の実際の観察経験を織り交ぜてまとめたものです。

まだまだ勉強中のバーダーなので、内容に必ずしも責任が持てる訳でもありません。この点をあらかじめご了承下さい。

基本情報

●全長14cm ◎季節性:留鳥・漂鳥 ☆雌雄同色

魅力について

黒い嘴(くちばし)がとても小さく、さらに、まるでマザー・グース(英語の童謡)に出てくる”ハンプティ・ダンプティ”のように首のくびれが全くないので、全体像がコロンとした姿に見え、それが実に愛らしい雰囲気を醸し出しています。

ずんぐりむっくりしたその外観に、真綿を思わせる胸から腹にかけての白い羽毛と下腹や肩の辺りの淡い色が合わさって、いっそう可愛らしい雰囲気に拍車をかけているように思えます。

最近では、エナガの様々なグッズが販売されるほど人気が高まっています。

名前について

柄長が漢字表記ですが、長い尾羽を柄杓などの柄に喩えたのが由来でしょう。


英名は、Long-tailed Tit です。「長い尾のカラ類」という意味です。

分布と生育場所について

エナガは、エナガ科エナガ属に分類され、九州以北の平地から山地の林や林のある公園などに留鳥または漂鳥として生息しています。(北海道には亜種の顔が真っ白な”シマエナガ”が生息していて人気を博しています。)

外見や生態の特徴について

エナガは日本で2番目に小さい鳥だそうです。

全長は13~14cmありますが、そのうち尾の長さが半分~半分強を占めるので、いかに小さな鳥かが分かります。

体重はなんと6g前後から9g前後と言われています。(ちなみに、一番小さい鳥はキクイタダキで、体重は約5gだそうです。)

エナガは雌雄で同型同色なので外観上は区別できません。

嘴から頭部中央さらには肩まで続く白い太い線や肩の部分のブドウ色などが特徴ですが、類種は北海道に生息するシマエナガ以外にはいないので同定に困ることはありません。

幼鳥は全体に色が薄いのでそれと分かりますから、識別ポイントというわけではないのですが、成鳥と幼鳥とでは「瞼」の色が異なります。成鳥のは黄色なのですが、幼鳥は赤いです。

成鳥に近づくつれて黄色に変化していきます。


繁った落葉広葉樹林を好み、群れになる性質が強いので繁殖期以外は群れで行動します。(ヤマガラがよく2羽で行動することが多いのとは対照的です。)

特に冬季はカラ類(シジュウカラ・ヤマガラ)やコゲラ、メジロなどと一緒に行動しているのをよく見かけます。

このように他の種の異なる野鳥と混成部隊を作り一緒に行動する習性は「混群」と呼ばれています。(バードウォッチングを始めると最初に覚える専門用語かも知れません。)

ついでながら、私のフィールドでは、この混群に、夏季は夏鳥のセンダイムシクイやメボソムシクイ、一年を通じてリュウキュウサンショウクイが混じっていることが珍しくありません。

さらに、エナガはこの混群の中において先導を行う習性もあるようで、エナガの鳴き声と姿に最初に気付き、次に他の種が目に付くことが多いです。

私のフィールドでは、2月になるとクモの糸を集めている光景を目にします。

エナガの繁殖期は早いと2月から始まり、そのための巣作りの材料を集めているのだと学びました。


ウォーキングコースの両端をシジュウカラやメジロのような小鳥が行き来しているのを見かけたら、かなりな確率でエナガに出会えます。

ただ、撮影者としてみると、近くの樹にやって来てくれても、一箇所に落ち着いてくれることはほとんどなく、枝上を細かく動き回るので、レンズをあっちに向けたりこっちに向けたり撮影が大変で、「目の前にいるのに写せない」という状況を何度も経験したことがあります。

被写体としてはかなり苦労させられる野鳥です。

レンズを通してエナガを追っているときに何度か目撃したのですが、ぶら下がりながら枝移りするのもエナガの習性の1つのようです。

そういう時や小枝から大きな葉の上に移動した際などにバランスを崩して落ちそうになったり滑りそうになることがあります。(少なくともそう見えます。)

案外鈍臭いのかもしれませんが、そういうところも含めて愛らしいのです。

鳴き声(囀りと地鳴き)について

さえずりは高く細い声の「チーチーツリリジュリリ」、地鳴きは「ジュリ、ジュリ」「ジュルリ、ジュルリ」「チュルル、チュルル」のように聞こえる鳴き声が他の野鳥の声とはずいぶん違っているように思います。

文字ではうまく表現できませんが、特徴のある鳴き声なので一度体験すれば次回からはすぐに分かるようになるでしょう。

ほんの数羽のエナガでも近くにやってくると、常に鳴き交わしながら移動するのでとても賑やかです。

面白ポイント

エナガが愛される理由の1つに、「エナガ団子」があります。

巣立った幼鳥たちが1つの枝にかたまって止まる行動を言います。

是非見てみたいと思っているのですが、まだ中途半端な「団子」しか撮影の機会はありません。

理想的には、このようなイラストの状態の「団子」です。


どの図鑑でも紹介されているのが、「ヘルパー」という生態です。

エナガは、”ヘルパー”として他の番の繁殖を手伝うことがあるのだそうです。

エナガどころか、シジュウカラのヘルパーになった例も記録されているというから驚きです。

番になれなかった独身のオスや繁殖に失敗した個体が他の番の子育てを手伝うと言われています。

しかも珍しくはない行動だといいます。

ヘルパーとして活躍しているところをぜひとも観察してみたいものです。

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