まえがき
ここに記載している内容は、客観的情報と主観的情報を私自身の言葉で記したものです。
つまり、野鳥関連の複数の図鑑や専門書で勉強した内容とネットの情報およびバーダーさんとの情報交換で得た知識に、フィールドでの自分自身の実際の観察経験を織り交ぜてまとめたものです。
まだまだ勉強中のバーダーなので、内容に必ずしも責任が持てる訳でもありません。この点をあらかじめご了承下さい。
基本情報
●全長15cm ◎季節性:留鳥 ☆雌雄ほぼ同色
魅力について
コゲラはキツツキの仲閒で日本最小です。キツツキなのだから森に棲む野鳥というイメージがあると思いますが、意外なほど身近にいて今では都市公園などでも普通に見られる点が魅力です。
近くの公園の林沿いを歩いてみましょう。
「コンコン」という小刻みに木をつつく音が聞こえてくるかもしれません。
幹や枝を裏側に回り込んだり上下したりしながら少しずつ移動する姿が実に可愛らしく感じられるはずです。
名前について
木をつつく鳥だから「キツツキ」、これは分かりやすいですね。
漢字表記では「啄木鳥」と表します。昔は「ケラ」と呼ばれていたようです。
コゲラは、小形のケラなので「小啄木鳥」となりました。
英名は、Japanese Pygmy Woodpecker です。pygmy は動植物が「とても小さい、小形の」という意味です。
woodpecker はキツツキのことですが、文字通りには「木を嘴で突く鳥」という意味で、習性を由来としたのが分かります。
分布と生育場所について
留鳥としてほぼ全国の平地から山地の林、市街地の公園などに生息しています。
場所によっては、街路樹で見られることもあるようです。
最初は、キツツキの類が公園の林にいることにとても驚きました。
森の中にいる野鳥というイメージがあったので、それほど身近にいることが意外でした。
図鑑などによると、もともとは山地にいたのですが、最近では都市公園も普通に見られるようになったとのことです。
外見の特徴について
日本最小のキツツキであり、もっとも身近で見られます。
額から体上面は褐色。背と翼は黒褐色で、翼の白斑は横に並んでいるように見えます。
胸と脇に褐色の縦斑があります。
地方ごとに羽の色が少しずつ異なり、南に行くほど濃くなる傾向があるようです。
雌雄で事実上同色なのですが、オスには、後頭部の左右両脇(眼の後方)に小さな赤斑があります。
他の羽に隠れているので強い風にあおられでもしない限り、見えることはまずないと思われます。
それだけに、見えたら幸運なことが起こると都市伝説的に盛り上がる人たちもいます。(^^)
参考写真を貼っておきます。(写真をクリックして拡大表示)
生態の特徴について
直径300~500mの縄張り内を木から木へ移動する姿がよく観察されます。この空間は小鳥としては広いと言えます。
その際によく「ギィー」という鋭く大きな声を出します。
番やファミリーでコミュニケーションをとっていると言われています。
例えば、コゲラはヤマガラと同様に、混群の中に混じることも珍しくはありませんが、一年中連れ立って行動するのが普通です。
この時に鳴き交わすことでお互いの位置や次の行動を確認しているのだそうです。
特徴的な声なので慣れるとすぐにコゲラだと判断できるようになります。
探鳥をしていると、木をつつく際の「コンコン」という小刻みに聞こえてくる音でコゲラの存在に気が付くことも多いはずです。
巣穴は、広葉樹の生きた木の枯れた枝に作ります。
枯れ枝の方が硬いように思うのですが、実際はどうなのでしょうか。
私のフィールドで巣穴づくりを何回か見たことがありますが、こういう場面に出くわした時は、ストレスを与えて巣穴を放棄させてしまわないように、さりげなく観察し且つ短時間で終えるようにしましょう。
キツツキの類は、特に繁殖期には一定の縄張りを持って生活します。
その時に枯れ木などを嘴で叩いて音(ドロロ)を出します。これをドラミングといいます。小鳥のさえずりと同じ働きをするのだそうです。
コゲラのドラミングは、音が細くて短くカエルの声のように聞こえるとのことなのですが、2021年から何回も聞く機会に恵まれましたが、???という感じです。(^^)。
食事は、雑食性です。
幹や枝に潜む昆虫を器用に捕食する姿をレンズ越しに何度も見たことがあります。
しかし、他の野鳥にも当てはまることですが、秋になると樹木の実を食べる姿をよく見かけます。
このコゲラは、ハゼの実を食べています。
鳴き声(囀りと地鳴き)について
木から木へと移動するなど行動中は「ギィー」という何かがきしむような音を出すことが多いです。
他には「キッキッキッキッ」と金属的な声で鳴くこともあります。
◎面白ポイント
上述したオスの後頭部にあるはずの赤い羽根は、実際は見えていても目視で確認することはほとんど無理なので、パソコンのモニタ上で見つける楽しみがあります。
そのためにも、後頭部の両脇を念入りに撮影しておきましょう。
特に風が強い日はチャンスです。
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